オッサン独りたそがれコロナ療養日記~退院1週間後の状況

はやいもので、退院後1週間が経過しました。
現在の状況ですが……

●体力
退院直後は100~200メーター歩くと両ふくらはぎが攣りそうに
また、軽い腹筋の運動をしたら腹筋が攣った。

現在、1万歩以上歩くことができるように(速度は遅いですが)
腹筋は軽い運動は普通にこなせるようになりました。

●呼吸・咳など
退院直後は少し動くと息が切れる感じでした。胸のあたり(気管支?)に違和感が常にあるような状態。

現在、健常時に比べれば息は上がりやすくなっているものの、退院直後よりはかなり改善胸の具合も同様。
とはいえ、ウォーキング中など運動していると息は切れやすい印象。
引き続きリハビリの必要アリ。

咳は退院直後にはほぼ出ておらず。現在もそれは同様です。

●嗅覚
退院直後も現状も、相当弱くなっています。
つまり、あまり匂いが感じ取れない状況。
醤油の瓶の口に鼻をつけて、すううっと鼻で息を吸い込みようやく醤油の匂いがわかる――そんな具合です。
(息を吸わないと匂いがわからないレベル)

発症直後の完全に嗅覚が死んでいた時に比べれば、多少の回復はしています。


ちなみに発症直後はこのボディシートが無臭でした。醤油も同じく。ポン酢も無臭。
現在はボディーシートの匂いはわかります。
……が、『わかります』というレベルなので、まだまだ嗅覚は弱いなあと。
当然『オヤジ臭さ』こと加齢臭はサッパリ。
ただでさえわかりにくい自分の体臭はまるでわかりません。
なので、より一層清潔にすることを心がけています。

●味覚
退院直後は塩辛さが強調されるケースが多い状態。
麺つゆなどでそれが顕著。

現状はまだ若干その傾向はあるものの、退院直後に比べれば改善されている感じ。
麺つゆも美味しくいただけております。

●体重
退院直後は健常時の5.5キロ減

食欲も旺盛のまま、筋肉も戻り体重は順調に増加。現在は退院直後から1.5Kg増。
まあ、自分で書いててなんですが……筋肉が増えたとかよりもカロリーが病院食(1日1800キロカロリー)に比べて大幅に増えたということなのでしょう。

それにしても、食欲が入院中からまったく落ちてないと言うのが我ながら頼もしいというかなんというか……
高ステロイドであるデキサメタゾンが食欲亢進&体重増加の副作用があるとのことで、まあ痩せないだろうなあと思ってましたが。
まさか、ここまで痩せぬとは……“デブ・フォーエバー”“エターナル・デブ”とは、まさにこのことかと。

●体温、SpO2、その他……
ホテル療養や入院中に全然改善されなかった微熱(37℃前後)は退院して36.5℃前後で安定。現在もその状況です。
SpO2はスマートウォッチによる簡易計測ですが97~100%をキープ。
思考能力の低下(ブレインフォグ)はいまのところ自覚ナシ。
まあ、なにもなくても五里霧中と言う気はしないでもありませんが……

●かかりつけ医との会話
ワクチン2回目の接種は現状見送り。
抗体は感染~回復を経てゲットできていると思うので、世の中の人が3回目のブースター接種を行うタイミング(冬前? 年明け?)で2回目接種する感じで良いのでは、と。
診た感じ特に問題はなさそう、とのこと。

以上、1週間たって気が付いたところです。
退院直後はあまりの体力の落ちっぷりに
(どうしよう……?)
と途方に暮れましたが、この1週間でだいぶ回復傾向になってきている自覚があります。
このまま回復していけば、遠からず普通の生活に戻れるのではないかな、と期待が持てる感じ。

なんにせよ、安心しました。
引き続き、頑張ります!!

オッサン独りたそがれコロナ療養日記 【持ち物編】

ホテル療養と入院期間を思い起こして。
『持ち込んで役に立ったもの』
を“僕の場合は”というマクラ言葉付きですが、挙げてみます。
参考になれば。

『これ、持ってきてください』というものは、各自治体で変わると思いますが。
ちなみに、東京都の場合は

□ 保険証、体温計、バスタオル、タオル類、ナイトウェア等をお持ちください(洗濯設備はありません)。その他、必要に応じて室内履き(スリッパ等)、雨具(退所時の天候により必要な場合があるため)等をご持参ください。
□ 服用している薬は、入所期間に必要な量を余裕を持って用意してください。 やむを得ず不足する場合は、ホテル事務局に連絡の上、入所後にオンライン診療で処方を受けてください。      
□ 水・お茶などの飲み物については、ホテルで提供しています(自動販売機はご利用いただけません。)。
□ 入所後は、退所まで外出することができません。必要なものは入所の際に持参してください。
□ 酒類・たばこ、刃物等危険物のほか、ビン・缶などホテルで処分できないものの持ち込みは禁止です。
□ 入所中は、パルスオキシメーターを使い、指先で体温・血中酸素飽和濃度を測定します(上図参照)。正しく測定できるよう、ジェルネイルやマニキュアは、自宅で可能な限り落としてから入所してください。

とのこと。
要するに、お泊りセットと体温計、保険証です。
ネット通販は使えません。差し入れのみ。

この上で、役に立ったぞと言うものは……

●マグカップ

大き目のマグカップです

 ~大き目の奴を持ち込むと、たとえばお茶漬け作ったりもできるので良いです。
  僕は写真の奴を持ち込みましたが、ホテル療養の時は水道水を部屋備え付けのポットで沸かしてお茶や白湯をガンガン飲んだので役立ちました。
  水分不足すると、免疫にもよくないとのことなので。
  水分補給、重要です。

スマホ・充電器

テーブルの上に充電器。スマホで撮ってるから、スマホの写真はありませんよね。

 ~マスト装備です!
  特に入院して壁から酸素の管が繋がりっぱなしの時には、PCが使いづらく。
  実質スマホのみになりましたので。
  調べものができ、SNSで外界とコンタクトがとれて、ゲームもできて本も読めて
  映画も観ることができるのに、片手で簡単に持てる最強デバイス。
  あらためて、良い時代になったなあと。

  あと、ホテル療養中には体温とSpO2(血中酸素飽和濃度)を測定してスマホで入力しますので、必需品ですね(なくても電話で報告できるみたいですが……)

  ちと長めの充電ケーブルがあると、より幸せになれるかなと。
  ヘッドホンがあると動画も気兼ねなく視聴できますので、なお良しですね。

●着替え

ホテル療養中、洗剤は無料でもらえました。

 ~洗濯できるもの、できないものを見極めて枚数を決定すると良きかと。
  東京都の場合はホテルの洗濯機とかは使えないので、風呂場や洗面所で洗濯することになります。
  Tシャツや下着とかは、速乾素材のものが洗濯の手間がだいぶ省けるので幸せかも。

  スウェットパンツは……手で絞って干したところで、ホテルの室内だとなかなか乾かないので苦労します。
  僕はユニクロのステテコを持ち込みましたが、多分正解だったかなと。

●タオル

 ~バスタオル1枚、普通のタオル2~3枚。
  ホテルのアメニティにバスタオルがなかったので、持ち込み必須でした。
  普通のタオルは顔拭いたりするほかに、借りたアイスノンを包んで温度調節とかにも使います。
  高熱出ていた時には、濡れタオルを部屋の冷蔵庫で冷やしてわきの下やおでこを冷やしたりしてました。
  割と使いであるので、タオルは複数枚持ち込んだ方が良いかと。

●調味料

九州以外の人に受け入れられるかはわかりませんが、僕は好きです。

 ~僕の場合はフンドーキンの醤油が大活躍しました。
  味覚障害でやたら塩辛さがピックアップされる感じになってしまったのですが、甘い醤油は適度にそれを和らげてくれます。
  病院で買い出ししてくれるといえど、さすがに関東の病院の売店に九州の醤油はありませんから持ち込むしかありません。
  ちなみに、ソースは揚げ物弁当が連日続いたホテル療養で威力を発揮しました。

カレーにはソースですよね、オッサンは。


  あと、病院でカレーがでた時も。持ち込み大正解でした。

  食欲は決して旺盛になることはないと体調的にも思うので、最低でも醤油は持ち込んだ方が幸せになれるかなと。

●ふりかけ類

やはり、のりたま最強ですね。

 ~これはホテル療養・入院ともに使いました
  ホテル療養で食欲が落ちて揚げ物が厳しくなったあたりに威力を発揮。
  最悪お茶漬けにして、弁当のお米だけ食べることができるのであると幸せになれるかも。
  やはり、食べないと体力どんどん落ちていきますから……

●ゼリーとか、レトルトおかゆとか

ホテルではランチパックももらえました。

 ~ホテルでは事務局にリクエストすれば貰えました
  でも、お気に入りのものをある程度持ち込んでおいても良いかもですね。

  インスタントみそ汁は、僕の場合には味覚が変わったおかげで全然飲めなくなってしまったので役に立った感はありませんが。
  ホテル療養中のお弁当のおともにあっても良いかもです。

お菓子

味覚変わるかもしれないので、あると幸せかもです。

 ~これは人によって違ってくるかなと思いますが。
  僕の場合、味覚障害で塩辛さがピックアップされてしまったので、甘いものが恋しくなりました。
  少量つまめるタイプのお菓子が、個人的にはありがたかったですね(キャラメルがけのポップコーンとか、個包装のチョコとか)。

●スリッパ

 ~上城は面倒くさがりなので、ホテルでも病院でも基本裸足で行動しておりましたが。
  まあ、あった方がよいのだろうなあと(笑)
  綺麗好きな人はマストかな、と。

●アイスノン的冷却まくら

これは私物です。ホテルの冷蔵庫で十分冷えます。

 ~ホテルでも病院でも、やたら威力を発揮したアイテム
  病院では、言うと貸してもらえます。
  発熱中には本当にありがたいです。
  小さいの用意して脇の下とかに挟めば、さらに良かったかなあとも、

以上です!

思いつく限り挙げてみました。
ホテル療養や入院は隔離で、一度入ると外界から遮断されますので最初に持ち込む荷物は結構大事かなと。

ご参考になれば、幸いです!

オッサン独りたそがれコロナ療養日記 【ホテル療養】

●8月10日(火)

ホテルに入るために荷造りをすることに。
色々とネットで情報を集めたものの、その人の体調などにより着替えの量とかが変わるのでなんとも荷づくりが決まらない。
東京都の場合、僕がホテルに入った時点では

・東京都のサイトに、宿泊療養で持ってきてくれと言うものが記載されている。
 ※【新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養について】
・ホテルのランドリーは使えない。
・買い出しも差し入れ以外不可。つまり、アマゾンとか通販で足りないものの取り寄せはできない。
・医者も同様。処方薬は基本、どうにもならず。
 ※後に『自宅療養中に訪問医師を頼む』と言う手段を知るが後の祭り。
・基本、食事は3食用意されたお弁当。食欲がないひと用に、パンとかゼリーもリクエストできる。

とのこと。
なので、とりあえず

・Tシャツ3枚
・スエットパンツ 2枚
・ステテコ(ユニクロの薄手ハーフパンツ) 2枚
・下着 5枚

こんな感じで用意し、歯ブラシとか髭剃りのいわゆる出張セット。それとタブレットPCとACアダプタなど用意してキャリーケースにぶち込みます。

13時、ドライバーから連絡。
自宅で飼っている柴犬たちとしばしの別れ。

存分にモフってから出発。当人たちも何かわかるのか、妙に懐いて後ろ髪を引かれます。

家のちょっと先に車が停められる場所があるので、そこで落ち合うことに。
幸い、ご近所の誰ともすれ違わず、誰とも会わず。
ドライバーさん、いわゆる防護服で完全武装かと思いきや、まさかのマスクのみの軽装。
車は、わナンバーの日産セレナ。運転席と後席の間に透明のポリビニールシートで仕切りがしてある感じ。
考えてみれば、防護服着たまま裏道運転は難易度高いもんなあとおもいつつ、乗車。

『途中でもう一人乗せますので、後ろのシートにお願いします』
とのことなので、3列目に。
ホテルに行く途中、いかにも若そうな男子をピックアップ。咳が止まらず苦しそう。
当然2列目に座り咳をゲホゲホしているが、ドライバーさん大丈夫かな……?

オリンピック期間ですが、特に規制などないルートでスムーズにホテルに到着。
一切口を聞かず、黙々とロビーに移動。
ロビーに入ると、カードキーと各種書類。そしてお待ちかねのパルスオキシメーターが入ったA4サイズの封筒があり、それを持って各自の部屋へ移動。
そこで荷ほどきしていると、看護師さんから内線で連絡など入り色々な問診を。

『パルスオキシメーターは指にはめ、しばらく安静にして数字を見てください』

なんと、自前のメーターを持っていたのにこの情報を初めて知りました!
というか、すぐに数字読んでました。
それでいつも低めに数字がでてたのか、ウチのは……?

荷ほどきしつつ、自宅に電話。
一息ついて、部屋を色々と見回す。
綺麗な部屋で広さもそこそこ。ベッドもセミダブル。
個人的にはリゾート気分です。


ホテルなので、電話もネットも自由。フリーWi-Fiもあり。
テレビもデカい画面で見放題。
ある意味、自宅よりかなり快適と言え
(ホテル療養、できてよかった……)
と思ったり。

ホテル内では食事を取りに行く以外の外出は禁止。部屋から一歩も出られず。
部屋の清掃、リネン類の交換などは一切なし。アメニティ類は食事と同じスペースに用意してあるので、必要な分をピックアップ。

基本、交流はゼロ。
まあ、宿泊療養の性質を考えるとそれはそーだという気持ちに。

封筒の中には色々な注意書きに混ざって、小池都知事のメッセージも。
これはどうも、ご丁寧に。

そして、ホテル側からのメッセージも。


ほっこりと嬉しい。
頑張ろうと言う気持ちになりますね。

健康管理は毎日2回、7時と16時に検温とパルスオキシメーターでSpO2を測定。
それをスマホアプリに入力する仕組み。
僕の場合、熱が少しあるのと基礎疾患(デブ)もあるので、

『それ以外に12時と20時の1日4回の入力をお願いします』
と言うことに。
丁寧に見てもらえるのはありがたいなあとおもいつつ、手間かけて申し訳ないなとも。

しかし、ホテルに入って看護師さんと内線ですぐに繋がる環境になったことは実に頼もしい。
自宅療養中だと、なかなか繋がらない保健所への電話が唯一の生命線だったので。

この日は熱は37度ちょい。SpO2は95~96と言う感じ。


食欲も問題なく、弁当完食。一口ヒレカツ弁当。美味。

割合に穏やかな療養初日になりました。

●8月11日(水)

家族から連絡

『保健所から連絡あった。全員陰性

これ以上ない嬉しい報せ。
あまりに嬉しかったので、この日の記憶が薄い。

弁当は昼ハンバーグ、夜フライ。


基本、茶色。
普段から『茶色い食べ物はヘルシー』とか言っていた自分の主張が正しかったことを知ります。
一歩も動かないので、正直腹はまったく減りません。
とはいえ、食べないと体力付かないと思い完食。
カロリーはヘルシーです。

このあたりから、横になると咳が立て続けに出て夜眠れなくなります
SpO2は95~96だけど、呼吸を深く吸えなくなっている感じに。
無理に吸うと、猛烈に咳こむ。咳と一緒に痰も出る。血痰

(治らんな、なかなか……)

身体を横にして、いわゆる回復体位にすると咳が止まることを発見。
それ以外は特に何もないので、就寝。
腕、しびれました。

●8月12日(木)

知人から『足りないものを差し入れるから、連絡くれ』と電話あり。
ありがたく、荷物に入れ忘れた爪切りと甘いお菓子。カロナールを依頼。

差し入れの場合、前日までにホテルに連絡しておく必要あり
明日の午後来ますと伝える。これで妙に気になっていた足の爪が切れるぞ。

そして、昼の弁当にサバの味噌煮が出ました。


僕は体力ないときに青魚を食べると腹を壊すことがあるのですが、見事に的中。
幸い大したことなく少し下した程度で済みましたが、これを境に食欲が全くなくなってしまいます。
完全に僕の用心不足です……

夜は食べられず。だって、揚げ物全開弁当なんですもの。
お弁当が無理な人のために』と置いてあった第2の選択肢、カップ焼きそばを一つ貰います。


(これ食べれるなら、弁当も食べれるのでは?)
とおもいつつ。

SpO2は95前後。
咳は相変わらず良く出ます。血痰も。

●8月13日(金)

朝は前日の夜を抜いたおかげで少し胃腸が落ち着いたのか、ほぼ完食。
サーモンのマリネが出たので、それだけ用心して残します。

食事を取りに行くときにあらためて見ると。
思いのほか多い、小さな子供連れの人々。
多分、一家まとめて陽性になってしまったのでしょうが……

子どもには感染しない的なムード、最初の時にどことなくありましたよね?
全然そんなことないぞ、結構辛そうだぞ、と。
というか。
子どもにはなにより、一日中ビジネスホテルの部屋の中で過ごすのが辛いだろうなあと。
可哀そうだけど、頑張れがんばれ。

午後、差し入れを預けたとの連絡。
夕食時に受け取る仕組みになっているので、夕食まで待ちます。

そして、キャラメルコーンと念願の爪切りゲット。
焼きそばの備蓄が増えました。
存分に爪を切って、スッキリ。
甘いお菓子も美味。

この頃になると味覚もだいぶダメージを受け、妙に塩辛さが強調されている感じに。
なので、インスタントのみそ汁が飲めなくなり全滅。
味噌の匂いがしないのも相まって、塩辛さしか感じない。
ふりかけを持ってきていたので、お湯と弁当の白米でお茶漬けを作ってしのぎます。

SpO2が95を切りがちに。
体温はずっと37度ちょいをキープ。
咳も血痰も変わらず。
(しぶといな……)
とかおもいつつ、治ることを疑わずに就寝。

●8月14日(土)

ホテル療養の退所の目安は

・発症日から10日経過
・かつ、症状軽快後72時間経過
・そのうえで、医師と看護師のOK判断

この3点。
そして、ワクチン接種翌日を発症日とすれば今日がその10日目

――軽快しているわけがない。

そして、ついにSpO2が90まで低下
洒落にならない数値だけど、困ったことに全然苦しくないのです。
いわゆる自覚症状なるものが、夜中の咳くらいしかなく。
本人、ケロリとしている。
身体が雑にできていると、こういう時は便利ですが病気を治すには良くありません。

痰が血痰から普通の痰になり、少し安堵。

長丁場になることを覚悟して、風呂の残り湯で洗濯。
速乾素材のTシャツは問題なし。
普通の綿シャツが全然乾かず往生することになるのです……

少し食欲が戻ったので、夕食時に先日ゲットしておいたカップ焼きそばを作ります。


匂いはしませんが、ソースの味は健在。とても美味。完食。

数字は相変わらず悪いので、看護師さんから
『一度、先生の診察を受けますか?』
『ここ以外のホテルもみているので、順番を調整します』
『リモートでお話するので、同じ階にある診察室に移動してもらう形になります』

との提案が入ります。
もちろん、話を聞いてもらう&現状を診てもらうのはありがたいので、二つ返事で快諾。

状況が変わるとよいのですが……

●8月15日(日)

食欲がいよいよ欠片もなくなってくる。
SpO2、もはや94以上にならず。
熱は36度8分~37度4分を行ったり来たり。

でも。
相変わらず、自覚症状ナシの息苦しさゼロ
もっとも、息を深く吸うと咳が爆発するので呼吸は浅いのですが……

そして。
夜に入力した数値を見て、看護師さんたちが俄かに騒ぎ出します。
どうやら、ずいぶんと洒落になってないのかもしれないと。
例の酸素を圧縮する装置を引きずって、何人もで僕の部屋にやってきました。

『上城さん、病院に移る準備をしてください。今手配をしていますが、ベッドが見つかり次第移ります』
『すぐには見つからないかもしれません。報道とかでご覧の通り、病床が足りていないので……』
『遠くても大丈夫ですか? 最悪、そこで手配します』

などなど。
あわただしく色々な手筈を整え。
酸素はそうこうしているうちに94まで復活したので、とりあえず吸わなくても良いだろうと。
『すみません……この機械も数に限りがありまして』
申し訳なさそうに看護師さんは言うが、こちらとしてはなにせ自覚症状ゼロ。
『いえいえ、お気になさらず』
と、それで正解なのかわからない答えを返します。

そして。
この日が……ホテル療養の最終日となるのでした。

→ 『ついに入院』編へ

オッサン独りたそがれコロナ療養日記 【ついに入院】

●8月16日(月)

朝イチ、まだ8時30分くらい。
看護師さんから部屋に内線が入ります

『上城さん、病院に入れます! 10時に迎えの車が来ますので、それに乗ってください』

と、とんとん拍子に入院が決定。

慌てて荷物をまとめ、ゴミもまとめ。
10時にロビーへ。

行くと、車寄せに1台の救急車。
別に普通に動けるのでストレッチャーを使わず、普通に乗車。

(懐かしいなあ……エルグランドベースの奴か)

実はその昔、民間救急隊員で救急車のドライバーをやっていた上城。
久々の救急車にちょっとテンションを高まったりしておりました。

余談ですが。
エルグランドベースだと、運転席からウォークスルーなのですね。
僕が乗っていたのはハイエースにセルシオのエンジンをぶち込んだ、猛烈に強引なつくりの救急車で前後の行き来が出来ずに難儀したので、ちとうらやましかったなあというお話。

乗り込むと、ドライバーと看護師さんがひとりずつ。
ホテル出発前、病院になにやら連絡をしている模様。

ドライバー「カミジョウ・トモユキ。年齢……?(振り返る)30歳くらい」
上城「いえいえ!? 50歳っ!!
ドライバー・看護師「え え え ぇ っ !?(めっちゃ振り返る)」

……すみませんね、貫禄なくて。

そんなわけで、車で10分くらいの入院先に。
最初の送迎車と違い、2人とも厳重ではないけど防護服着用。

ちなみにこの時は発症後10日経って、感染させる力はほぼなかったとのこと。
最初の送迎車ドライバーの防護をもう少しキッチリした方が良い気がするのですよねぇ、とか思ったりも……

病院に到着したら、なんと車いすが用意されており
(え……車いす、乗るの?)
と戸惑いながら座ります。

これが発症から日が経っていないと、車いす全体をビニールシートで覆って、しゅごーっと陰圧の空調響かせながら行かねばならんので車いすもやむなしなのですが(僕の前に病院に入った患者さんは、そんな感じでした)。
僕はそんなことないので、ただ荷物の如く運ばれる感じ。
まだ、この時点では脚がそこまで萎えてなかったからよかったのにとおもいつつ。
介護研修以来の車いすを満喫。

そして、そのままCTとレントゲンを撮影
さらに病室に移動し、血液ガス検査のために動脈から血を抜くことに。

ちなみに血液ガス検査とは、動脈を流れる酸素や二酸化炭素などの状態を測定して肺や心臓の機能を見る検査。
普段採血する静脈との一番の違いは――猛烈に痛いという点。

場所は鼠径部と橈骨動脈(手首で脈とる時に指あてるトコ)だけど……手首より鼠径部の方が痛くない。
痛くないけど……男性の看護師が鼠径部をグイグイ押して動脈を探した結果

『……良くわっかんないな』

という独白とともに、橈骨動脈に針を入れることに。
まあ……良くわっかんないのならば、致し方ありませぬ。
結構痛かったですが、そんなこと言ってる場合でもないので、ひたすら辛抱。

その後、右腕に点滴のルートを確保……静脈に点滴のチューブを刺しっぱなしにしたりして。
ドタバタしているうちに、色々な書類を渡されます。

『この薬使うけど、注意点は以下の如し。いいよね?』
的な内容の書面には【レムデシビル】【アビガン】など、報道とかで聞き覚えのある薬の名前が並びます。
そして、担当医師からの確認。
その表情は険しく、一切の冗談や遊びはない感じ。

『あなたは現在、中等症。肺炎アリ、酸素障害なし』
『この病院は中等症までの設備しかなく、重症化した患者は診れません』
『その場合、設備がある病院へ転院しますが……今、正直まったく空きがない状態です』
『「ただちに転院!」という事態になっても、行き先がなくて見つかるまでここにいなければいけないことがある。そのことはご理解下さい』
『あと、万が一の場合……延命治療は望まれますか?』

これらの説明を聞きながら、ここでようやく僕は

(そうだよ――死ぬ病気だよ、コロナって)
(なんで、根拠なく治ると信じていたんだろう……?)

と、厳しい現状を認識したわけです。

一瞬絶句した僕に、先生は厳しい表情を崩さぬまま告げました。

『大丈夫。生きて帰れます』

この一言。
僕の抵抗力と薬品の効能に全てがかかる、あまりに不安定なこの状況で。
それでも、とても力強く僕の耳には届きました。

『ただ、時間はかかります。ざっくり2週間』

事前に調べて、早ければ5日で退院できると書いてあった中等症の治療。
そんな甘いものではなかったと、あらためて認識。

『色々と状況を見て、アビガンよりもベクルリー(レムデシビル)が適していると判断したので、それで治療を開始します』
『また、ステロイド(デキサメタゾン)も並行して投与します』
『肺炎の状態を改善します。頑張りましょう』

とのことで、早速通したばかりのルートにレムデシビルの点滴を。
初日2時間。それ以降は1時間。計5回の投与。

レムデシビルとデキサメタゾンの組み合わせは、トランプ元大統領が完治したのと同じ組み合わせ。
(U.S.A! U.S.A!!)
点滴を受けながら脳内でコールして期待しつつ、あとは先生に委ねます。

でも、こんな状況ですが
色々検査をして身体の状態を確かめ。
医師の先生、看護師さんたちから懇切丁寧に説明を受け
(うん……治療受けてるぞ、俺)
と言う実感がようやく沸いていました。

考えてみると。
今までは“療養”で、あくまで隔離しながら自分の免疫で治すターンだったので。
陽性の結果がでてから、医師の診断をいただいてなかったこともあり。
陽性判定後、初めて自分の身体の状態を把握出来たんだなあとも。

もちろんホテルに入った時点で、医師からお話とか聞けると嬉しかったのかもしれませんが、とてもそんなゆとり無いのでしょうねえ……
たっくさん、人がいましたから。

ここから心電図とパルスオキシメーターが付きっぱなし生活に。
そしてSpO2が低いので、鼻から1L/分の酸素も常に摂ることに。
長い戦いのはじまりです……

●8月17日(火)

この日もレムデシビルの点滴&デカドロンことデキサメタゾンの錠剤を経口摂取すると言う治療。


デキサメタゾン――ステロイドなので、いわゆるステロイド糖尿病的な状況になり。
それを防ぐため、インシュリンの注射も加わります。
また。
血栓ができやすくなるとかで、それを予防する血液サラサラになる薬も注射。
なんとなく、至れり尽くせり感を味わいます。

体調はボチボチ。
咳は相変わらず出ますが、ちょっとおさまってきたかなとも。

そして。
ここの病院は本当に食事が美味しく。
ここから先、ずっと完食できるのです。

やっぱり、病気に対抗するためには体力をつけなくてはいけず。
そして、その源は食事だと思うのですよね。

この日の夕食は、なんとすき焼き。
本当に大事です。

●8月18日(水)

朝食に出たサツマイモの甘煮が猛烈に好みの味。
そんな1日のスタート。
明け方に咳も出ず、平和な朝でした。
1時間の点滴、12粒のステロイド。
そして、レントゲン撮影と採血。

レントゲン室にいくのかなと思いきや、まさかのレントゲンの機械を病室にもち込んで撮影
あらためて、隔離中だということを実感します。

ちなみに。
我らがいる隔離病棟には『レッドゾーン』と言う呼び名があるようで……
何千回転からなんでしょうね(違

そして。
夜、先生が割と上機嫌で登場。

『上城さん、肺炎良くなってますよ。血液の炎症反応の値も悪くない』
『初日に比べて、黒い部分濃くなってるでしょう? この白くてモヤっとしたのが肺炎なんです』
『良くなってます。このまま頑張りましょう』

マスクで口元は見えませんが、明らかに目元が笑っていて。
僕も思わず嬉しくなったのです。

●8月19日(木)

レムデシビルとステロイドは順調に継続。
昨日、先生から
『ちょっと脱水のケがあるので水分多めにとってくださいね』
と指摘を受けたので、今日からはトイレの回数を増やすことをいとわず、水分をがぶ飲みすることに。

ホテルの時は水道水をポットに汲んで、沸かして作った白湯をがぶ飲みしていたのですが。
病室ではそうも行かないので、ペットボトルのお茶で。

ただ、ホテルと違って看護師さんやヘルパーさんが1日1回買い物代行してくれるので。
飲み物はゲットしやすいのです。ありがたいですねえ。

んで、このあたりで気が付きます。
(……着替え、足りないぞ)
今までの荷造りは、あくまでホテル療養が前提。
つまり――洗濯前提の枚数。しかもせいぜい10日間の構え。
病院になれば、洗濯とかできるはずもなく。そもそも2週間くらいと言われてますので、着替えは普通に用意せねば。
何が問題って、僕は嗅覚がなくなっているので自分がどのくらい臭いのかがまるでわからないと言うこと。
ただでさえ、オヤジ臭いはずなのに……

なので、着替えを差し入れて貰えるように手筈を整えます。
幸い、特に事前連絡なしでナースステーションに直接届けてもらえれば良いとのこと。
病院になってホテル療養よりもそういうところは楽になりました。

色々とやることあるなあと思いつつ。
着替えなど、諸々の手配を。

●8月20日(金)

レムデシビル、最終日です。
これで問題なければ、おかわりなく点滴が終了。

SpO2の値も良くなっているので、今まで1L/分入っていた酸素を外すことに。
レムデシビルとデキサメタゾンが効いている感じですね。

この病室、火曜・金曜がシャワーの日だったのですが。
酸素が外れたので、シャワーを浴びることができました。
サッパリ。だいぶ気持ちがリフレッシュ出来て良きです。

ここで荷物の中に入っていたホテルで洗濯したTシャツに着替えます。ラスト1。
明日、新しいのが来るはずなので、そこは遠慮なく。

微熱は相変わらず続いていますが、少しずつ治っているのかなあと期待が持たれます。
そして匂いが……なんとなーく、復活してきたかもしれません。

少しずつ、一歩ずつ……

●8月21日(土)

今日からデキサメタゾン――ステロイドだけです。
インシュリンは継続して打つ感じ。

無事に着替えも届き。


夜にビーフシチューが出て、テンションが上がったりしつつ。
特に何事もなく、この日は終わりました。

ただ、それだけだと何なので療養小ネタを。
僕たちのいるこの部屋は、おそらく普段の4人部屋を3人部屋に改造。
残る一人分のスペースに巨大な換気装置を設置したうえで、電動おまるを装備。
トイレスペースにして、完全にこの部屋だけで行動が完結できる隔離病棟になっています。

電動おまる。使う時には左の箱にある固めるポリマーを都度入れます。

電動おまるのパーツ。かわいい。

……このおまる、神経質な人は絶対に嫌だろうなあとおもいつつ。
その昔、山の中に穴掘って……の、ガチアウトドア野郎だった上城は全く抵抗なく。
なんなら、嗅覚死んでいるので匂いとかも(少なくとも僕は)気にならず。
普通に快適に過ごしているわけです。

写真はパーソナルスペース。
まあ、典型的な大部屋の1区画ですが。
カーテンの向こうが、トイレです。

いやー。
人間、雑にできてる方が何かと得ですね。

なお。
気になる人は、パーソナルスペースに専用のおまるを設置することができるみたいです。
やってる人がいらっしゃいました。共用よりも気兼ねなくて良いですもんね。

参考になれば。

●8月22日(日)

日曜日。
こころなしか、静かです。

点滴もなく酸素もなく。
おだやかに過ごしていたら、17時過ぎになんと保健所さんから電話が。

聞けば、極めて事務的な内容。
『このお電話で了承いただければ、諸々進めさせて貰います』
的なもの。

日曜日。
夕方5時過ぎ。
保健所の事務方からのお電話。

関連部署、全力フル稼働なのですね。
夏休みとかオリンピックとかくそくらえな感じ。
SNSなどでは色々いう人もいらっしゃるようですが。
少なくとも、僕のところの保健所さんは全力で頑張ってくれている印象です。

それは確かに
『入院したい!』『オッケー。じゃあ、ここに行って!』
みたいなスピード感ではないことは確かですが。
少なくとも『放置』と言う感じでもないよなあ、とも。

そんなわけで。
微力ながら応援と感謝を。
ありがとうございます、頑張ってください。

●8月23日(月)

咳は完全におさまりました。
微熱だけ、おさまらず。

ひとをだめにするもの

アイスノンを貰って、冷やしながら静養。
なんだか……昼日中のアイスノンは人間がダメになる気がします。気持ちよすぎて。

あと、この日の夕食。
カレーライスが!

解説不要のカレーライス


まだ、匂いはしないのですけど味はバッチリ。
テンション、上がりますね。良いですね。
健康は食べ物からですよ、やっぱり。

そして、この日は朝採血したのですが、炎症反応も問題なしとのことで。
点滴のルートも外れました。

少しずつ、少しずつ……

●8月24日(火)

先生からの提案で、ここでデキサメタゾンをストップしましょうと。
血液検査やSpO2の数値的には、まったく問題ないし。
デキサメタゾンは接種終了後、隔離期間が必要とのことなのですが。
終えた上で、隔離期間分の日数をここで体調など見ながら過ごし、問題なければ退院と言う流れにできるかな、と。

まあ、なんと言っても。
連日、ニュースでは病床不足を訴えているので。
肺炎治って酸素投与しなくても良いひとは自宅へ帰したいのだろうなあと。

無論、退院は僕もウエルカムなので。
何事もないことを祈りつつ、了承。

この日はシャワーの日で、サッパリしたのですが。
あらためて見ると、脚がとても細くなっていました。

まあ……ずっと寝たきりみたいなものでしたからねえ。
退院後が思いやられます。

●8月25日(水)

食事、ずっと完食が続いております。
この病院の食事が、実に味付けが良いこともあるのですが。
持ち込んだフンドーキンの醤油が実に良い仕事をしてくれており。
ふりかけの消費がほとんどない感じです。

これから入院とかホテル療養とかになるかた。
醤油はお気に入りのものを持って行った方が、絶対に幸せになりますし。
そしてなにより、治りが早いと思いますよ。栄養補給は大事です。

そして、医師の先生から
『明日、このまま何もなければ退院でいきましょう』
とのこと。
そこで、いそいそと荷物をまとめたり。

ニュースでは野々村真さんが退院とのこと。
なんだか、同時期に入院してたので……嬉しいですねえ。

●8月26日(木)

朝イチ、10時。
夜勤の看護師さんが日勤の看護師さんにシフトを引き継いだタイミング。

退院しました。
生還――やっと、日の当たるこちら側へ。

思えば、死すら覚悟して。
世界中で死者が出ている、感染大爆発中の病気にかかり。
よく、治していただいたなあと。

4日発症として22日――約3週間。
自宅療養からホテル療養、そして入院。
関わってくれた全ての人たちに、ありったけの感謝を。

ありがとうございました。
生きて帰れました!!

オッサン独りたそがれコロナ療養日記 ~おしまい

※おまけ
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